PC Worldのアメリカ13都市スマートフォン・ネット速度テスト結果


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PC World誌が全米13の都市で調査したスマートフォンの速度テストの結果が明らかにされました。
3G and 4G Wireless Speed Showdown: Which Networks Are Fastest? – 2012年4月16日

調査を行った都市は、
Atlanta, Boston, Chicago, Dallas, Denver, Las Vegas, Los Angeles, New Orleans, New York, San Francisco, San Jose, Seattle, Washington D.C
の13都市。

調査は、3Gサービスと4Gサービスとに分けて調査され、3GはVerizonとSprintはCDMA2000 EV-DO Rev.A、AT&TとT-MobileはHSPA+(HSAP+21、理論最大速度21Mbps)までを含みます。
4Gは、VerizonとAT&TはLTE、SprintはWiMax、T-Mobile USAはまだLTEサービスを開始していませんがDC-HSDPA(HSPA+42、理論最大速度42Mbps)を調査対象としました。

この調査によると、全米平均では3GはT-Mobile USAが一番速く、4G(LTE、WiMax、DC-HSDPA=HSPA+42)は、ダウンロードはAT&Tが速いと言うことです。

 

3G速度に関しては、ある意味T-Mobile USAの「勝利」は当然のことです。なぜなら、VerizonとSprintのCDMA2000通信方式の3G理論値最大速度3.1Mbpsで、AT&TとT-Mobile USAの3GはHSPA+理論値最大速度は21Mbpsだからです。
AT&TよりT-Mobile USAの方が速いのは、T-Mobile USAの方が加入者が少ないからです。

4GがAT&Tが速い結果になったのは意外ですが、同じLTE通信方式を使っているAT&TとVerizonでは、これまでもVerizonは保守的で通信の”質”(通話が途中で切れることが少ない。)を大事にする代わりに速度を下げることで知られており、理解できます。
Sprint(Clear)のWiMaxが速度が遅い結果になったことは意外ですが、WiMaxの基地局が少なく、カバレッジがまばらなので、テストした観測定点が電波が弱かったのでしょう。電波が強ければ7~8Mbpsのダウンロードが得られることは、筆者の実験で体験済みです。
アメリカ4Gモバイル通信比較:AT&T、T-Mobile、Verizon、Sprint、Clear – 2011年6月19日
 

AT&Tは現在、アメリカ国内で31都市しかLTEを提供しておらず、Verizonの203都市に比べるとLTEを使える都市数が少ないですが、運良くAT&TのLTEがサービス開始されている地域ならば、AT&Tのほうが速いと言うことです。VerizonがLTEでAT&Tに勝ったのは、今回の13都市の調査ではSan JoseとNew Orleansだけだったそうです。
AT&Tは、現在3Gサービスを提供している全ての都市で、LTEサービスを2013年末までに開始する予定です。

現在LTEサービスエリアの少ないAT&Tですが、そのメリットは、LTEサービスエリアでない場合は、HSPA+の速度に落ちることで、それでも2~3Mbpsの速度を維持できます。Verizonの場合は、LTEに接続できないと、急に1Mbpsの3G EVーDO Rev. A速度に落ちることです。

3G速度の昨年との比較を見ると、Sprint以外は速度は速くなっています。しかし、この1年間のSprint社のダウンロード速度の劣化は、著しいです。
Sprintは2012年中ごろにLTEサービスを開始する予定、2012年末でWiMax端末の新規販売を終了、2015年末でWiMaxサービスを終了する予定です。

 

この調査は各13都市の都心に近いところで行われ、戸外と室内(主にスターバックスのお店の中)で行われたそうです。



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